リーズナブルな学費とレベルの高い教育内容から人気の公立中高一貫校。東京都内には全部で11校ありますが、その中で唯一、都ではなく区が運営しているのが「九段中等教育学校」です。
手元にある2023年版の学校パンフレットによると、
- 体験を重視した授業
- 充実した科学/英語教育
- 地の利を活かし、千代田区内の企業や大使館などと連携したキャリア教育
- 海外研修
- 高い進学実績(海外大学への進学も)
といった、特色ある教育を提供してくれる、素晴らしい公立中高一貫校です。
そして、九段中等教育学校の最大の特徴が、「千代田区民は入学しやすい」ことです。この記事では九段中等教育学校の千代田区民枠について調べてみました。
区分A(千代田区民枠)と区分B(その他の都民枠)の違い
九段中等教育学校を受検するには「区分A(千代田区民枠)」と「区分B(その他の都民枠)」があり、圧倒的に区分Aの方が入りやすいという特徴があります。
実際の数字を見てみましょう。
年度 | 区分A 80名(千代田区民枠) | 区分B 80名(その他の都民枠) |
---|---|---|
令和5年度 | 倍率2.60倍 | 倍率5.09倍 |
令和4年度 | 倍率2.60倍 | 倍率5.60倍 |
上記のように、倍率が大きく違います。
その結果、合否ラインも大きく異なります。
九段中等教育学校は、報告書が200点満点、適性1が200点満点、適性2と3がそれぞれ300点満点で、計1,000点満点となりますが、区分Aの合否ラインが55%程度、区分Bの合否ラインが65%程度と予想されるそう。合否ラインが10%違うのは大きいですね。
公立中高一貫校を目指す親子にとって、非常に魅力的な九段中等教育学校の「区分A(千代田区民枠)」ですが、”千代田区に住んでいればいい”というわけではなく、細かいルールがあります。
区分A(千代田区民枠)に入るための2つの条件
正確には千代田区の教育委員会が出している「令和5年度 千代田区立九段中等教育学校 入学者決定に関する実施要綱(手引き)」をご覧頂くのが確実ですが、ざっくりと内容をまとめてみます。
条件1:小学校6年生の4月1日時点で千代田区に住んでいること
まず一番大きな条件がこれです。入試直前に千代田区に引っ越してもダメ。小6の4/1時点に千代田区に住んでいる必要があります。もちろん、ただ住んでいるだけではダメで、きちんと住民票を移している必要があります。転入の場合は、4月1 日までに転入の届出を完了している必要があります。
なんとなく、「受検の時点で千代田区に住んでればいいのかな?」と思っていたのですが、それではダメ!早めの引っ越しが必要です。
ちなみに、区分Aの枠で入学した後に千代田区外に引っ越すと「自主退学」という扱いになるという噂もあります。小6から高3までの7年間は千代田区内に住む覚悟が必要です。
条件2:保護者と同居していること
特別な家庭の事情は考慮してもらえるようですが、基本的には「保護者と同居している」必要があるようです。つまり、以下は厳しそう。
これはダメ
「祖父母が千代田区に住んでいるから、そこに子どもだけ住ませてもらおう」
「お兄ちゃんが千代田区で一人暮らしをしているから、弟もそこに住まわせよう」
「親戚が千代田区に住んでいるから、子どもを下宿させてもらおう」
両親が行方不明だったり、病気だったり、離婚していたりなど、やむを得ない理由がある場合は、「具申書」というものを提出して、判断してもらう必要があるようです。
我が子が小学5年生以下の場合は、引越し先を探してみよう
あくまで印象ですが、現在我が子が通っている区立小学校では、3月末で引っ越していくお子さんが多いです。転校の理由を聞くと、4月1日付で親御さんが転勤や異動になったという話を聞きます。
次に多いのが、夏休み前です。おそらく、親御さんが9月1日付けで転勤/異動となるケースでしょう。
つまり、千代田区内のファミリー向けの賃貸物件が動くのは1〜3月、あるいは6〜8月あたりです。九段中等教育学校で区分Aを狙いたい方は、ぜひ条件に合いそうな賃貸物件を探してみてください。
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