【エッセイ】模試で0点をマジで取る娘

双子の長女と次女が模試を受けにいきました。

お迎えに行くと、「う〜ん、難しかったなぁ」とふたり。

まぁ、全力を出せたなら何よりさと、ふたりの大好物のとんかつ屋さんに入り、ゲンを担ぎます。

まぁ、しょせんは模試。結果はどうあれ、頑張ったふたりを称える気持ちで見ておりました。

そしてしばらく経ち…

模試の結果が届きました。

その結果は…

3科目のうち、1科目で0点!?

え!?0点!?マジで0点!?

二度見しましたが、マジで0点です。

ヒドイ点を取ることはあれど、0点を取るのはさすがに難しいはず。

そして、この結果を見たら、次女が落ち込んでしまいそう。私は娘の前で決して動揺しまいと気を強く持ちなおしました。


「ただいまぁ〜!」

いつもの様子で次女が学校から帰ってきました。

「おかえり〜」といつもの様子で声掛けする私。うん、大丈夫、いつもの様子でできた。

「模試の結果、返ってきたよ〜」と私。うん、大丈夫。いつもの様子で言ってる。

「え〜マジでぇ〜、あんまり出来なかったんだよなぁ〜やだなぁ〜」と次女。私は模試の結果が表示されたスマホを手渡します。

「……」無言。次女が画面を見ています。私も仕事のパソコン画面を見ていますが、次女の発する声に全集中。作業中の書類の画面の上で、テンキーの上ボタンを10回連打。続いて下ボタンを10回連打。全く意味のない動きをしています。


「やばっ!国語、0点じゃん!」

次女が気づきました。息を呑む私。次女はどんな気分なんだろう…。

「まぁ…出来てないと思ったんだよねぇ!本番じゃなくてよかったわ!はい、ありがと」

軽やかにスマホを私に返し、漫画コーナーの座椅子に腰掛けます。

動揺する私。「0点って…どうしたの?解答欄がズレてたとか、名前を書き忘れたとか、そういうやつ…?」

「いいや、普通に難しくて0点だった」と冷静に答える娘。

「え…?国語のテストで一個もわからないこと…ある…?」完全に動揺して素になる私。

「いや〜、問題が3つだったんだけど〜〜、
1つ目の問題が抜き書き問題で、全然わからなくて悩んだから時間がかかっちゃってさ、
3つ目が作文だったんだけど、時間が足りなくて字数が足りないから採点してもらえないし、
2番目も時間が足りなくて適当に書いたから、間違ってたんだね!ハハッ!」

よくわからんけど、全然落ち込んでないじゃん!それだけはわかる。

「いや、アンタ0点ってやばすぎるでしょ!しかもうっかりミスじゃなくて実力ならさらにマズイでしょ!どうすんのさ!」完全に動揺して普通に詰めてる私。

「まぁ、マズイけどさ、全力を尽くした結果が0点だったんだからしょうがないよ!本番は時間配分に気をつけなきゃな、って気づけたから、模試の役目は果たしてるでしょ!良かったじゃん。」

確かに…そのとおりだ…。

言い負かされる私。完全に気にしていない次女の前に、私の仮面は無力であった。

きっと本番は大丈夫。結果はどうあれ、次女は強く乗り越えていくことでしょう。

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この記事を書いた人

子育てと銭湯を愛する3人娘の母。

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